2003年頃、刑務所の中に沢山の障がい者がいるという噂が広がってきました。実際に処遇を担当した者の手記が発表される中で、刑務所が「福祉の最後の砦」となっている現状が少しずつ明らかになってきました。
2006年より田島良昭氏を研究代表者とする、厚生労働科学研究「罪を犯した障がい者の地域生活支援に関する研究」が立ち上げられ、コロニー雲仙もその一員としてこの問題に取り組んできました。
療育手帳の所持6%、「生活苦・困窮」が動機36.8%
同研究で実施した刑務所内の実態調査(15施設)では、退所後の生活支援がないために犯罪を繰り返す姿が明らかになりました。
知的障がいまたは知的障がいが疑われる410名の中で、公的な福祉サービスを受けるのに必要な「療育手帳」の所持者はわずか6%。犯罪動機は「生活苦・困窮」が37%で最多。全体の7割を占める再犯者285名の内、半数は帰住先がなく、1年未満に罪を犯した受刑者は6割にのぼります。
地域生活定着支援センターの設置へ
療育手帳取得のための現地調査
コロニー雲仙では、周辺の矯正施設と連携し、退所後の福祉的支援につなぐモデル事業を実施しました。
福祉と矯正施設が、知的障がいを持つ受刑者の退所後の処遇について検討する「合同支援会議」を開催。6人を受け入れ、2人を地元福祉機関へつないできました。
この成果を踏まえ、研究班ではこのような司法と福祉をつなぐ「地域生活定着支援センター」の設立を国に提言しました。2009年7月より、都道府県での設置が始まっています。コロニー雲仙では、制度化に先立ち「長崎県地域生活定着支援センター」を法人自主事業で立ち上げ、支援をスタートさせました。(現在運営主体はNPO法人長崎県地域生活定着支援センターへ移管)。
熊本県内にも法人自主事業で準備室を開設し、支援を行っています。
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