研究概要
研究課題名
罪を犯した障害者の地域生活支援に関する研究
(H18-障害-一般-006)
研究目的
罪を犯し、又は罪を犯す虞のある障害者の地域社会での自立促進を図る観点から、実態調査を実施し現状における問題点を探るとともに、就労、生活訓練、地域生活支援への移行のあり方、社会復帰に向けた福祉分野の役割と矯正及び更生保護の関係機関等との連携の具体的な取り組み、法的整備に関する課題等を分析する。
研究事業予定期間
平成18年4月1日から平成19年3月31日まで
研究組織
・主任研究者
田島 良昭 研究の総括
・分担研究者
藤本 哲也 矯正と更生保護事業の諸問題の調査研究・分析
山本 譲司 法務・福祉関係の合同事業の諸問題の調査研究・分析
清水 義悳 更生保護事業の実務の現状調査研究・分析
小野 隆一 福祉分野の実務調査研究・分析
酒井 龍彦 福祉分野の実務の現状調査研究・分析
研究の概要
| 1. |
目的は、罪を犯し又は犯しやすい障害者の地域生活の自立促進を図るため、再犯防止の生活・就労訓練及び生活環境整備に必要な法的整備に関する実態調査と先駆的事業の取り組みの調査・検証である。 |
| 2. |
期待される成果としては、次の法的制度・仕組みの必要性に関する調査・検証結果である。 |
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① |
受刑期間中における社会性適応訓練の法務・福祉サイド合同のケアマネジメント |
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② |
更生保護事業の保護観察所・更生保護施設と福祉サービスの社会生活適応訓練 |
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③ |
社会福祉施設における地域生活自立訓練内容及び必要職員 |
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④ |
地域生活を送る上での生活・就労支援・シェルター制度 |
| 3. |
国内における研究法務・福祉サイドの連携による取り組みは初めての研究であり、国外では国の制度の中では、更生保護政策が福祉施策に組み込まれている例もあり、研究の対象とする |
| 4. |
研究計画・方法 |
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現状調査分析・検討として、 |
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① |
現行制度における罪を犯しやすい施設利用者への地域生活移行の支援内容、特にこれまでの各施設における実績、就労支援等の支援プログラム、職員配置 |
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② |
地域生活支援センターでの罪を犯しやすい障害者の支援内容 |
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③ |
知的障害者の刑事裁判の実態調査(入り口の健全化) |
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④ |
法務当局の矯正事業の現状調査、特に知的障害者の受刑中の処遇の実態 |
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⑤ |
更生保護事業の現状調査として、受刑中の生活ニーズや矯正と更生保護事業、更生保護と福祉事業の制度的谷間の実態を明らかにする。 |
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| 麓刑務所(佐賀県)とのモデル的合同会議(境グループ) |
平成18年度においては、現地・実態調査を行い、分析し、課題を明確にしていく。平成19年度においては、課題に対して先駆的に取り組んでいる機関の協力を得ながら効果・課題を検証し、平成20年度には、法務・福祉事業についての新たな施策提言をまとめる。
研究の目的、必要性及び期待される成果
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| 合同会議での意見交換 |
平成15年度刑務所の新規受刑者31,355人のうち、知能指数69以下の受刑者は6,959人とされ、そのうち明らかに知的障害者とされるのは271人との統計資料があり、また再犯率も高い。その要因として受刑期間中において、知的障害という特有の状況に対する処遇の機会が得られにくく、通常仮釈放により更生保護を通して受けられる社会適応訓練も事実上の必要要件である身元引き受け人がないためにその機会が得られず満期釈放となり、社会適応訓練が受けられないまま出所し、刑務所に入る前の環境と何ら変更のない状態で社会に出て、結局再犯に繋がっているのが現状である。
この間法務サイドと厚生労働(福祉)サイドの受刑者に対する情報提供・連携はなく、社会に出た後の福祉サービスの説明がないだけでなく、実際に地域での更生保護事業等における生活訓練においても福祉サイドが関わることはほとんどない。また、出所すること自体の情報提供がなく、その後の福祉サービスが受けられずにいる。福祉サイドもこうした現状を認知していなかった。
一方、支援費制度においては、措置制度は契約に至るまでの一時的には認められているものの、原則的には契約制度であり、罪を犯し又は罪を犯しやすい障害者に対して一定期間施設で地域生活適応 訓練を受ける機会の保証が困難になっている。仮釈放期間及び再犯防止のための生活・就労訓練の機会が失われているとも言える。
今回の研究の目的は、罪を犯し又は罪を犯しやすい障害者の地域社会生活の自立促進を図るため、再犯防止の生活・就労訓練及び生活環境の整備に必要な法的整備に関して、実態調査と先駆的事業に実際に取り組むことで具体的データーの調査・検証にある。
期待される成果としては、法務・福祉サイドの連携により、受刑期間中の矯正事業に福祉サイドから生活・就労訓練のための技術提供・職員研修や更生保護事業の社会適応訓練も更生保護施設だけでなく、福祉サイドの地域生活支援サービスを合同のケアマネジメントにより仮釈放・出所時から受けられる仕組み、また、地域で生活して障害者の再犯防止の仕組みづくりにより、地域生活の定着がより一層期待されると考える。
平成18年度においては、国内各地の施設等における罪犯を犯し又は罪を犯しやすい害者への地域社会生活の自立に向けた現状を調査する。
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