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福祉のトップセミナーin雲仙2008  
 
 
 
福祉のトップセミナーin雲仙2008 長崎アピール  
 
世界は今、混迷の真っ只中にいます。
 
金融や経済は、マネーゲームの破綻を受け、世界大恐慌の到来さえ予測されています。テロや戦火の危機は鎮まらず、絶望的な貧困に苦しむ人の数は一向に減りません。環境破壊による地球温暖化の影響は、日常生活の上でも現われ始めました。
 
国内では、格差と貧困問題が拡大し、社会から排除されたと感じる人が増えています。人と人との関係性が薄れ、繋がりは分断されています。障害者自立支援法の見直しの論議は深まらず、国民の信を問うべき衆議院の解散・総選挙は不透明な中にあります。
 
このような中で私たちは、ここ長崎の地に集いました。そして、排除するのでなく、「包みこむ社会」の可能性を探りました。私たちは、何が出来るか、何をなすべきかを論じ合いました。新しい形の社会的な統合と連帯、すなわち<絆>を見出そうと模索したのです。
 
私たちは、<絶望>という愚か者の結論を拒否したいと思います。
 
しかし、明日への希望を見出すためには、積極的に行動することが必要です。
 
確かな前進のために、本セミナーの論議を受けて、以下の政策提言をいたします。
 
 
 
 
1. 「援助の必要な人」を総体的に支援するシステムを早急に構築する必要があります。
わが国の福祉制度は、こども、障害者、高齢者、女性(婦人)、野宿者(ホームレス)など、年齢や問題別に法律があり、財政基盤も異なっています。そして、制度間には格差が存在しています。「社会的排除」の是正という視点からは、総体を包括する福祉システムとして組み立て直す必要があります。
2. 福祉と介護を統合する「普遍的介護保険」への改正を強く期待します。
現行の介護保険制度は、被保険者は40歳以上でありながら、受給者は原則65歳以上となっています。そこで、被保険者を20歳以上に広げ、受給者は年齢を問わず介護の必要な人をすべてとする制度が求められます。その際、基礎給付は保険金で対応し、障害特性による特別なニーズには、一般会計から障害特性加算金(高度支援加算)を上乗せして支給する、「一部二階建て方式」が前提になります。
3. 地域生活を支えるために、障害者自立支援法のさらなる充実が必要です。
障害のある人の地域での生活をさらに進めるためには、障害者自立支援法を以下の点で充実させる必要があります。
 
  1) 障害程度区分の見直しは、実態に合わせてなされるべきです。具体的には、「社会適応能力」の追加が強く望まれます。 何より、異議申し立てに対する仕組みが整備されていません。 現地調査や面接調査を十分に行い、繊細な対応によって、関係者の共通認識を深めて決定する、というシステムを整えることが求められます。
  2) 強度行動障害のある人等の高度に支援の必要な人が、地域で生活していくためには、現行の加算方式を見直さなければなりません。
  3) 一定の要件を満たした、グループホーム・ケアホームでの短期入所を可能にし、在宅者の「まさか」の困難に応える必要があります。
  4) 地域へ一方的に送り出すだけでなく、通勤寮で認められていた「再訓練・トレーニング事業」の設置を認めていただきたい。
4. 刑余者の「地域生活定着支援センター(仮称)」は、内容の充実が求められます。
厚生労働省は、刑務所から出所した障害者や高齢者など「援助の必要な人」を福祉サービスへ繋ぐ機関の設置を打ち出しました。これは、私たちが提案してきた「社会生活支援センター」であり、その英断は高く評価できます。しかし、予算面では期待を裏切るものであり、法務省の関与を含めて、内容の充実が急務であります。
5. 定着支援には、福祉サービスや就業先などへの公的な支援が不可欠です。
福祉と<繋ぐ>機関が設置されても、具体的に<受ける>所がなければ、援助の必要な刑務所から出所した人(刑余者)の地域生活での定着は困難です。そのため、受け皿となる組織(場)に対し、加算金等の何らかの公的な財政援助が必要です。適切な支援のためには、ニーズに合わせた態勢作りが不可欠だからです。
6. 成年後見制度の利用が可能になるためには、公的な財政援助の充実が必要です。
判断力の弱い人への支援策として、成年後見制度の利用が有効です。しかしながら、この制度には種々の不備が存在しますが、特に費用の面での課題があります。
 
「利用制度」の条件を大幅に緩和し、積極的な利用が可能にする必要があります。
 
利用対象者を、障害者自立支援法での「低所得者」にまで拡大することを望みます。   
7. 障害者を中心として、実効のある所得保障制度を早急に検討してください。
障害者自立支援法への不満の一つは、所得保障についての不十分さです。特に,児童期の問題は、緊急に整備される必要があります。生活保護制度の充実など、効果のある制度の検討が急がれます。また、ベイシック・インカム(基本所得)制度の導入も視野に入れた、国民全体の所得保障制度の検討が望まれます。
8. 地域での生活を可能にするためには、住居(住宅)の保障制度の充実が急務です。
住む(暮らす)場所がなければ、地域生活は絵に描いた餅です。公営住宅の優先利用や家賃援助など、各種の強力で具体的な施策の展開が必要です。また障害福祉におけるグループホームやケアホームの居住系サービスについては、少人数利用者の夜間支援体制加算のさらなる増加や報酬単価の見直し等の措置が求められます。
 
   
平成20年11月9日
 
社会福祉法人 南高愛隣会 理事長 田島良昭
志のネットワーク縁結び係 大熊由紀子
西駒郷地域生活支援センター 山田優
生活再建相談センター運営協議会 代表 水田恵
日本ダルク本部 代表 近藤恒夫
NPO十勝障がい者支援センター 理事長 門屋充郎
帝京平成大学 教授 八代英太
慶応義塾大学 教授 浅野史郎
龍谷大学 教授 浜井浩一
東京弁護士会 弁護士 大石剛一郎
認定NPOスペシャルオリンピックス 名誉会長 細川佳代子
社会福祉法人 南高愛隣会 常務理事 酒井龍彦
社会福祉法人 南高愛隣会 常務理事 松村真美
社会福祉法人 南高愛隣会 実行委員長 松友了
参加者一同
 
   
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