
コロニー雲仙では2007年4月に通勤寮を除く全ての事業所を障害者自立支援法(以下自立支援法)に移行しました。私はその頃入所更生施設におりましたので、入所施設がどのように地域に移っていったのか、そして受け皿となる地域での生活の場をどのように作っていったのかについてお話をさせていただきたいと思います。
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私達が障がい者の生活を支援する時に常に考えていたのは、この人達の人生とはいったいどういうものなんだろうか、その利用者の願いや思いというものが、50人や100人という施設の中で叶えられるのだろうかということです。もちろん答は「叶えられるはずはありません」です。利用者の人生もまた私達と同じように地域の中で支えていくものにしなければなりません。
これを主眼において長い年月かかりましたが、入所型施設を閉園するに至りました。
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自立支援法は国際的な流れはもちろん人権や個別支援、地域の中での生活という流れの中に位置づけられていますが、現在移行状況はまだ低調のようです。コロニー雲仙が実際に移行をどのように進めたのかを、手順に沿ってご説明をいたします。
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1.コロニー雲仙における移行の実際
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(1) 利用者アンケート
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私達のサービスの原点は当事者ですから、当事者の気持ち、希望を聞くということはどんな時でも欠かさない事柄になります。コロニー雲仙は入所施設も一過性のものと長年実践してまいりましたので、多くの利用者やご家族の皆様にとって地域移行というイメージはもう既に形成されておりました。
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 そういう中にあっても機能再編するにあたっては、再度利用者に問いかけてみました。するとアパート、通勤寮、グループホーム等で暮らしたいという人が約40%、自宅に帰りたいという人が約40%、合わせて80%の人達がやはり出て行きたいという答でした。
「入所施設で長く暮らしたいの?」という問いに対して、ここでずっと暮らしたいという方は、0%と、やはり入所施設で暮らしたいという人は一人もおられませんでした。
この意思確認をした上で実際の事業展開を計画してまいりました。
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(2) 出身地ごとの資源調査

最初に行ったのが出身地毎の資源調査です。地域に行くといってもそれぞれ行きたい所はバラバラです。故郷に帰りたいという思いが強い方が多いですが、その故郷には本当に利用者が暮らしていく為の活動の場、生活の場、その他のサービスがそろえられる状況にあるのか。これを調査して利用者のニーズとマッチングさせていくことからまず始めました。
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2004年には既に入所授産施設「雲仙愛隣牧場」の解体宣言を行っておりましたので、その時の条件を押さえた上で進めていくことに留意しました。この5項目がその時の条件です。利用者にとって不利益にならないように、利用者の思いが叶うようにということと、職員も不利益を被らないようにということが盛られております。
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(3) 利用者本人とご家族への説明

事業を展開していくにあたって、本人達とご家族へ理解や了解を求めると同時に、事業をきちんと形作っていきました。
まずは、青写真作りです。施設に持っていた機能がどのように地域に移っていったらいいのかどのような事業を立ち上げればいいのかと計画を立てて、県への理解、それからご家族、ご本人への理解というように進めました。ご家族に対してはとにかく念を入れなければなりませんでしたので、育成会での説明に加えて、育成会に来られないご家族のために、各地区に分けて出向いて地区説明会を実施しました。
それと一人ひとりのサービス計画と一番心配になる経済設計について、お一人ずつ、こういうサービスを使うとこれぐらいの負担が予測されるという経済設計書を添付して理解を求めました。
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(4) 実施事業所のある市行政へ
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サービスを展開する市に対しては出身者名簿を添付して、各市が立てている福祉計画にこちらの案を盛り込んでいただくように、すり合わせを努力いたしました。
施設から出て行く人達のためだけのサービスでは多分了解がもらえないだろうということでその市に住む在宅の人達も利用できるような資源として使って下さいという提案と合わせて、説明と理解と了解を得ていきました。
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(5) 援護の実施者への説明と理解
そして給付を出す市町村への説明と理解です。
106項目のチェックリストを何回も点検して、一人ずつ区分をシュミレートしました。23に及ぶ市町村に対して、この人にはこんなサービスがあるので、受給者証はこれくらいの物が欲しいということを、区分調査に反映できるように下準備を行って協議しました。各市とも予算を立てる必要があるので、これを早めに行ったことがスムーズに移行できた点ではなかっただろうかと思います。
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(6) 申請手続き

受給者証を取る時は3つの点を注意事項として留意して進めました。
まず、調査の時に本人を一番よく知る人が調査に立ち会うこと。
次に、106項目の中には知的障がいが反映されにくいものもあります。見守りがどうしても必要とか、非社会性や反社会性があったりというなかなか反映されにくい事項については、別添えとして特記事項をお渡しすることで補完をいたしました。
そして、介護給付が必要な方は二次審査で医師の意見書が必要になってまいります。市が紹介する内科医等の場合では、障がいの特性が反映されませんので、知的障がいの特性をよく理解された精神科医を選んで、そこで詳しく説明をして勘案書を書いてもらうということを致しました。
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(7) タイムスケジュール

利用者、家族、それから事業の実施市町村や県、それから援護の実施者、そして施設。これらがやるべきことを押さえて遂行確認をしながらタイムスケジュールを着実に実行してゆき、目標となる2007年3月までに、必要な手立てや受給者証を揃えることが出来ました。
これらは半年間で全部出来たわけではなくて、その背景には地域での職場実習や企業実習だとか、ご家族の日ごろからの理解というものが、長年かけて成熟されていたということもございます。具体的に作業を進める際にご活用いただければ幸いです。
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