社会福祉法人 南高愛隣会 コロニー雲仙
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入所施設から地域移行の手引き ~地域で支える新たな生活支援~  
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2. 地域移行のイメージと支援内容

入所施設がある雲仙市から各市に向けて移行する時のポイントを押さえたいと思います。
利用者が移っていく時に職員も一緒に移っていくことを進めました。すでに地域に資源がある時はそれも活用しますが、当初はなかなか自立支援法に移行したところはありませんでしたので、自分達で作っていくということをしなければなりませんでした。
その際は、先ほど言いましたように、施設から移行していく利用者だけでなく、在宅の人達が通って利用していただけるようなサービスにしていくことがポイントになります。いいサービスには在宅の方達も来られます。そうすると利用者が増えてきます。利用者が増えるとそこに職員も増やさなければなりません。地域に密着したサービスにはその地元のスタッフというものが欠かせません。ですから、より良いサービスを作るということで、事業体がどんどん膨らんでいくという相乗効果が生まれていきます。

では受け皿としての生活の場をどのように展開したのかについてご説明いたします。
入所施設からの受け皿としては、グループホーム、ケアホームというものをメインに広げていきました。旧法(知的障害者福祉法)でいうグループホームは、1989年に作られた制度で、4人から7人のグループに対して1人の担当の世話人さんを付け、そこを援護施設がバックアップするという仕組みでした。

これが自立支援法になると、大体15分圏内の地域にバラバラに暮らしている30人を、世話人さんと生活支援員、それからサービス管理責任者がチーム支援をしていくという体制になっています。
事業所視察で入所施設の周辺のグループホームを見られた方は建設型をイメージされるかもしれませんが、建設型は時間もお金もかかりますし、一回作ってしまうとなかなか離れきれないというデメリットがあります。ですので、現在は本人達のニーズに合う住宅を探していくという賃貸型が主流になっております。不動産との情報交換は常に必要になってきます。

グループホーム、ケアホームには、配置されているのは管理者、サービス管理責任者、生活支援員、世話人ですが、実際は上から4番目の地域の世話人さんが直接支援の中核をなします。この方達は地域に長けた方たちで、利用者を地域に密着させる時の接着剤みたいなものと考えていいかと思います。
どんな人達かというと、まず子育ての経験がある方、それから世話好きでならないという方、それから地域の情報に詳しくてネットワークを沢山持っている方、こういう人達を世話人として採用いたしております。
生活する場所は閉ざされた山の中ではなく、街の中になります。周りには資源が沢山あります。これらを日常的に使いこなす。使うのを応援するということがまず大事になります。

この街の中に住んでいる市民の皆様、そこに住んでる方たちといかに知り合いになっていくのか、この橋渡しをするのが世話人さんの一番大きな仕事だと思っております。人の暮らしというものは人と出会ってこそ楽しくもあり悲しくもあり色んなことが起きるんだと思います。ただ単にホームにいて日中活動に行けばいいというような単調なものであってはならないと思いますし、施設から地域に住むということはその地域の人々と触れ合うこと、これをいかにたくさん準備していけれるかというのが利用者の暮らしの豊かさに繋がっていくものだと思います。
けれども世話人さんだけでは上手くいかない場合があります。その時は少し若手になりますが、生活支援員という難しいケースの対応が出来たり、制度をよく知っていて有効活用が出来る人達が脇を固めています。また危機管理に関するようなことは、看護師や事務員が間接的に押さえておく必要があります。それをきちんと束ねるのがサービス管理責任者ということになります。
利用者のニーズは日ごと、時間ごと、曜日ごとに変わってくるので、こういう人達のチームで組み合わせをして、必要なところにサービスを持っていくという仕組みになっております。

我々が考える支援の内容というものは大きく分けて3つに分類されます。
一つ目が「生活を守る支援」。これはまず最初に固めなければならない必須の支援です。衣食住を整えてそして地域のルールをしっかり守るとここを押えた上で徐々に広がりを持たせていく。ここは何があってもきちんと押えるというところでスタートします。

それと同時に次は感性が必要になってくるサービスです。「寄り添う」としていますけれども、人間関係をいかに深めていけれるか、ここがサービスの質の深まりになってくるかと思います。サービスを届けに行った先々で色々な心の様相の人達に出会うと思いますけれどもそれを察知できるか。利用者のちょっとした表情で汲み取りが出来るかそういう視点を持った世話人さん、生活支援員を育てなければなりません。

次に、そういう利用者の生活を推し進める市民として外に推し進めていく、そして希望を持って生活を作っていくような視点、地域力を活用しながら市民としてここで暮らして良かったと思っていただけるような支援につなげていく、そういうことを念頭に支援を展開しています。
これら「守る」「深める」「広げる」というような観点で地域生活の受け皿を充実させていっている、現在でも「している」ところです。

次にグループホームの形態です。
グループホームは障害程度区分が非該当から1の方、ケアホームは区分2から6の方が対象となっています。障がいの重さに分かれてバラバラに住むのではなく、本人の希望や周辺状況の変化、相性とか色々な変化に応じて住み替えるということも出てきますので、全部グループホームとケアホームが両方使える併用型で指定をとっています。
旧法と新法の形態を表にしました。 旧法ではグループという概念をしっかりと立てて、定員として4人から7人というくくりになっております。ですから一つ屋根の下の「4~5人の仲間での生活」「夫婦・パートナー(同棲)」までは認められて、それ以外は適用が出来ませんでした。 新法になると、定員が2人から30人と結構大きな幅を持たせてくださっております。旧法で認められていた形態に加えて、独立した二人暮らしや、単身同士で一つの屋根の下も適用範囲になり、単身同士であったら隣同士でたまには一緒にご飯を食べようねというようなことも可能になりました。ここが認めてもらえたことで、我々の支援する人たちの数がぐっと増えました。

私として甚だ疑問なところは、グループホームの適用範囲です。定員が10人とか30人をグループというのだろうか、ミニ施設というのではなかろうかと受けとめております。 グループホーム、ケアホームの適用範囲が広がったことで、生活形態の幅が広がったということはメリットだと思います。 課題点としては一人とか二人で暮らせる範囲が広がった代わりに当然家賃というものが負担となってかかってきています。この辺については公営住宅の利用という工夫が今後必要かと思います。 おかしな点としては、先程述べた10人、20人、30人というところをグループホームと呼べるのだろうかということ。入所型施設を移行する為にこのような人数を設けたのであれば有期限にするべきではなかろうかということです。グループホーム、ケアホームは無期限ですので、30人、20人というところに移って無期限で暮らせるとなると、第二の施設を作るのではないかと懸念されます。 今のところ我々が展開しているグループホーム、ケアホームの形態はこれぐらいですが、我々の暮らしというものはもっと多種多様なものだと思います。ですから、彼等が発するニーズに沿って、もっともっと多種多様なグループホームをまだまだ作っていかなければならない。どういうものが欲しいのかと、いつも目を皿のようにして利用者に問いかけ続けないといけないと思っております。
 
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