社会福祉法人 南高愛隣会 コロニー雲仙
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福祉のトップセミナーin雲仙2009  
 
 
 
 
入所施設から地域移行の手引き ~地域で支える新たな生活支援~  
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3. 数字から見る事業経営事例
(1) Tさん ~経営上の問題点について  

Tさんは62歳、療育手帳がB1という中度判定です。実は入所する前の在宅の時に判定をもらっていて、次回判定が不要ということになっていましたが、障がい全体を見るとてんかんや身体障がいということもあって、手厚いケアが必要な方でした。支援費の時代では重複障がいも相まって区分Aとなっています。
措置費の時には1か月に261,686円の措置費が来ていたんですが、支援費になると239,790円に減額しております。差し引き21,896円の減額ということで事業所にとっては結構厳しい金額なのかなと思いきや、よく内容を見ると措置費から支援費になった時にホテルコストと呼ばれる食費が本人負担になっています。
1日1,500円の食費がかかったとすると1か月で45,000円になります。支援費ではこの45,000円に食費給付費も生じていますのでそれも差し引くと38,610円という食費負担となります。これらを差し引いてみると赤字になっている21,896円と38,610円を引いてみると、逆に一人当たり16,714円の増収になります。区分Aの人が50人いたとすると1年間でざっと1,000万円の増収になります。区分Aの人が25人、それから少し単価が低い区分Bの人が半分の25人の時でも680万円の増収と試算できます。
措置費から支援費に移った時点で非常に多かった「支援費制度は反対」という声が、途中からあんまり聞かれなくてどうしてかなって思っていたらこういうことあったんだろうと思われます。
この収入増になったところを利用者のためにどのように使ったのかということが、とても大事な視点になろうかと思います。コロニー雲仙では、地域移行のための拠点作りといい人材を先に雇っておく人材の先行投資に当てております。
(2) Yさん ~ナイトケアにおける職員配置について  

入所型施設の最大の難点は夜から朝にかけての暮らしそのものに人がかけられていない、かけようがないというところではなかろうかと思います。
色々な悩みがあって、色々なことをしたいけれども、50人に対して宿直者3人ではとてもそれを満たすことは出来ません。しかも専門職員ではないんです。事務員や調理師という色々な人が交代で泊まりにあたる中では、とても生活で手当を厚くすることは出来ません。
自立支援法になって日中系、生活系になったことで、生活系のところだけでも30人の定員に13名の配置が出来るようになりました。しかも生活支援員と世話人さんを中心とする生活支援の専門職をあてることが出来ます。個々の生活に応じた支援を繰り広げることが出来るということで、利用者にとってはここが一番大きなメリットになったのではないかなと思っております。
(3) Kさん ~重い障がいのある方について  

Kさんは強度行動障がいがあり、入所更生施設の強度行動障がい、特別処遇加算を頂いて入所されました。強度行動障がいの特別処遇加算というのは有期限で3年間しか利用できないんですが、3年後も更生施設の一般棟でそのままお受けしました。
1か月で492,776円本人に来ており、そのうち強度障がい加算が231,090円ありました。3年後の2005年には解除されていましたので、一般棟扱いで242,550円になっていました。けれども強度行動障がいはそんな簡単に軽減していくものではないんですね。昼夜共に引き続き手厚いケアが必要だったんですけれども、この時期は非常に厳しい時代でした。
自立支援法になって区分6をもらいましたので、日中系生活系合わせて355,800円ということで少しはましになりました。2009年になると給付単価が格段に上がりましたので、2008年4月は174,000円だったのが2009年7月には292,500円に上がっています。日中系と生活系の合計金額も599,050円になり、本人にかかる手当も格段に手厚く出来るような状況になりました。
けれどもこの強度行動障がいの加算手当というのは基本的に入所施設支援と生活介護事業を組み合わせた時に適用になるので、我々のように生活は入所施設ではなくてケアホームで日中は生活介護という場合は適用されません。多分想定が無かったんだろうと思います。この辺も法の改正をお願いしたいなと思っております。
それにしても日中にこれだけ沢山の給付増額があるのであれば、環境を整えたり専門職員を更に増やしたりというサービスの質を上げるという課題が横たわっているかと思われます。
 
(4) Mさん ~利用者負担金について  

Mさんは43歳、自閉的傾向がちょっと強い方で、年金1級を持たれております。入所授産施設を利用されていまして、高度障がいや自閉的な傾向が強かったので支援費制度でもA判定を頂きました。自立支援法になってからは区分4ということで就労継続支援B型とケアホームを使い現在に至っています。
先ほど説明をしました通り利用者負担金は2つの種類に分かれております。1つが福祉サービスにかかる人件費や諸経費に当たるいわゆるサービス利用の負担金です。もう1つが食費や日常生活諸経費に当たる実費の負担です。措置時代にはこの2つが事務費・事業費といわれて措置権者が階層区分によって徴収金として徴収していました。しかし、社会保障制度の変換によって医療制度も介護保険制度も、かかった費用、実費については自分で払いましょうという流れに変わってきています。支援費もその流れを汲んで、食費はまずは自分で払いましょうということになりました。事実、自立支援法においても実費負担ということになっております。
利用負担金である1割負担が高くて大変だというのは確かに2006年当初は見られたんですが、2回の改正にわたって上限額が下げられております。措置時代は34,100円だったのが、支援費時代に12,858円、自立支援法になって2006年では24,010円とぽんと上がったんですが、現在は2,170円ということで非常に本人にとって有利な負担金の状況になっております。
自立支援法の理念にありますように、利用者負担は基本的に福祉サービスにかかる費用を広く国民全体で分かち合うという理念に立っております。かかる生活諸経費のほうが特段に多いわけですので、ここをどのように減らしていったらいいのかというような工夫も更に必要になっていくかと思われます。
 
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