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長崎県地域生活定着支援センターのつなぐ支援  
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南高愛隣会は、平成18年より田島良昭理事長の下、厚生労働科学研究「罪を犯した障がい者の地域生活支援のあり方」に取り組んできました。そのモデル事業の中で、佐賀県麓刑務所から8名の方を受け入れ、2名の方を他県の福祉サービスにバトンタッチをしました。そこで感じた所、地域生活定着支援センターが生まれた経緯、事例の報告、そしてこれからの展望について報告いたします。
 
1.矯正施設に収容されている知的障がい者の実態調査

3か年の厚生労働科学研究の中で、複数の刑務所を見学させていただきました。また刑務官の方のお話をお聞きする中で、我々の福祉が届いておらず、刑務所が最後のセーフティーネットになっているという現実を実感・痛感させられました。
厚生労働科学研究では矯正施設に収容されている知的障がい者の実態調査をいたしました。15施設に収容されている27,024名の中で、知的障がい者又は知的障がいが疑われる者は1.5%にあたる410名いました。
『矯正統計年報』によれば、知的障がいとされるIQ69以下の新規受刑者は毎年全体の2割強を占め、平成20年は28,963人中6,703人で23.1%と出ています。
皆さんもご存知の様に、知的障害者の方というのは、日課通りの解りきった単純な生活に非常に馴染みやすいという特性があります。そういう中で、刑務所の中にいる知的障がい者の方というのは、意外と知的障がい者と思われていない現実があるのではないかという事です。実際刑務所の中ではCAPASというIQ検査が使われており、IQ相当値という言い方をされています。これが正確かどうかは、今から研究の中で議論されていく所かもしれません。
今定着支援センターを実施していると、支援に回ってきているのは高齢者がほとんどで、知的障がい者の人達は僅かしかいらっしゃいません。という事は意外と埋もれていまって、いる方が多いのではないかという事が、この23.1%と1.5%の違いから解ります。
 

410名の犯罪の特徴としては、仮釈放の方が20%。80%が満期出所で、身寄りがいない、帰住地がない、引受人がいないという状態で、ホームレス同然で社会に放り出されているという現実です。
出所者全体を見ると、平成19年では出所者総数が32,788名の内、満期出所が43.5%、仮出所が56.5%と仮出所の方が多いです。
ちなみに65歳以上の高齢者を見ると、満期出所が70.5%、仮出所が29.5%、いわゆる社会的弱者の方ほど、社会の中で、孤独・孤立している状態にあるという事が解ります。
 

平成16、17、18年の3か年の統計を見ると、満期出所の方が近年増えてきているという事実があります。先日法務省の方にお聞きしたところ、平成20年は仮出所が50%と言われました。ここから推定されるのは、満期出所の方の再犯率が非常に増えてきているのではないかという事と、よく言われる様に高齢者の犯罪が増えてきているという事です。
 

また、410名の中で再犯期間が3か月以内の者が32.3%、1年未満が60%です。仮出所、満期出所を含めて、全開の帰住先が判明しているのが56.5%、43.5%がどこに行ったが分かりません。当時私が意外だったのが、更生保護施設が10.5%だったことです。更生保護施設とは、皆さんご存知のように、身寄りがない頼るべき人がいない人達が、自立更生のために利用し、住居や食事を提供し、就職活動のアドバイスを受けることが出来る施設です。そこが10.5%受け入れているのに対して、社会福祉施設は1.1%しか受け入れていません。
 

これを顕著に表している事件として下関放火事件があります。
平成18年1月に、前科10犯、当時74歳の方が下関駅に放火をしました。この方は12月に刑務所を出たばかりで、北九州市の区役所に行かれて生活保護の申請をされたという事ですが、住所がないと駄目だということで下関行の切符を渡されただけで追い出されています。JRに乗って下関駅まで行かれて、夜遅くまで駅におられ、駅舎を閉めるので出て行ってくれといわれ、むしゃくしゃして放火をしました。
その時の動機を聞かれて「刑務所に帰りたかった」と答えられました。
これは厚生労働科学研究でモデル事業を行う中でよく聞かれました。刑務所は居心地よくはないが、地域よりは安心だということです。
今、新聞・テレビ等で「安心・安全」と言われますが、そういった言葉の下に、我々は排除という意識が働いていないか。一部人にとっての「安心・安全」ではなく、こういった社会的弱者や、誰にとっても「安心・安全」というのがあってもよいのではないか。そうあるべきじゃないかと思います。
地域福祉と言いながら、本来支援すべき人達を知らなかった、地域よりも安心だと言わせた我々の今までのあり方があるわけです。社会的弱者の人達が満期出所し、再犯を繰り返す。それを知った以上は、なんとかこの人達を福祉につなげないといけないという事で、刑務所と連携しながら、満期出所の方を福祉サービスに繋がられないかという「地域生活定着支援センター」の取り組みがはじめました。
 
 
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