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福祉のトップセミナーin雲仙2009  
 
 
 
 
長崎県地域生活定着支援センターのつなぐ支援  
   
4. 実践事例② Bさん

BさんはIQ相当値39、入所度数が16回の、67歳の方です。
自転車の窃盗で刑務所に入られ、満期出所後2、3日バスセンター、公園等で野宿をされました。
 

そして市役所に生活保護の申請をされましたが、住所がないと駄目だということで追い出されました。それで保護観察所に保護カードを持って助けを求め、更生緊急保護で地元の県の更生保護施設に調整をされましたが、受け入れを拒否されました。そこの保護観察所から定着支援センターに支援の連絡があって、更生保護施設「虹」に受け入れていただいて、やっと福祉にたどり着いたわけです。
 

この方は地元の特定のエリアでマイナスのイメージで有名な方で、何処も受け入れを拒否されていました。そこで、本人に関わる色々な関係機関を巻き込んで合同支援会議を開催しました。キーパーソンとなりえる人がいるかどうか。キーパーソンを通して受け入れ施設の斡旋をしていただく中で、その方がされている民間下宿というソフトの支援を提供していただき、要介護度1の介護保険を取得して、週に1、2回は民間下宿からデイサービスに通われています。
このように、地域・地域で本人を取りまく支援輪、サービスの調整をするネットワークを作っていくアクションを起こすということも、定着支援センター一つの大きな役割だと思います。
 
5. 実践事例から見えてきた課題

「受け入れ施設の確保」という課題に対しては、障がい者福祉に特化した形ではありますが、厚生労働省の障害福祉課から出ている「矯正施設等を退所した障害者の地域移行加算について」という事業が出来ています。
 


 

これは受け入れ施設を支える仕組みという事で、受け入れる際にかかった費用を最高限度額100万円で受け入れ施設に支給するという事業です。矯正施設に面談に行くとか、研修を開くとか、体制を整備する時の支援として基金事業から支給していただきます。後は報酬上の加算として、障害者自立支援法に移行した施設で、定着支援センターあるいは保護観察所が関わっているということが条件になります。グループホーム・ケアホーム、宿泊型自立訓練には一日あたり670単位、施設入所支援に対しては体制加算で一日あたり12単位、原則3年上限の個人加算で306単位の加算がつきます。
 

今後の展望としては、定着支援センターと矯正施設が、職権を利用しての情報の提供であったり、住民票が何処にあるのか調べてもらったりという協働体性の確立が必要だと思います。
矯正施設への要望としては個人票の情報のボリュームが少ないということがあります。これについては矯正施設へ合同支援会議等で働きかけをしていきたいです。
 

また、協働支援体制の確保を目指して、更生保護施設の不安軽減の取り組みが必要になってきます。全国57か所の更生保護施設が、こういった社会的弱者を受け入れて下さいという指定を受けて、福祉の専門職も配置されています。しかしどうやって福祉につないでいったらよいかという点で不安を持たれています。
 

更生保護施設「虹」と長崎県地域生活定着支援センターでは、定期的にケア会議を開いて、個別支援計画の協働作成を行っております。また、Aさんの事例で行った日中は福祉事業所を利用して、生活では更生保護施設を利用するというモデル的事業があります。
 

定着支援センターが調整してこういった仕組みを全国に広げていくという取り組みが必要になるのではないかと思います。
 


 

矯正施設から更生保護施設、或いは直接障害者自立支援法の事業であるグループホームを利用して地域生活につなげていくという仕組みを図にしてみました。ただこれは障害者福祉に特化した流れになります。こういった仕組みを高齢の所でも作っていく事が急務になります。
 
6. 最後に

72歳のCさんを刑務所に迎えに行った時のことです。対面するなり、大粒の涙を流されながら「出所が近づくと、誰も迎えに来てくれないんじゃないかと不安で不安で眠れなかった。ありがとうございます。ありがとうございます」と繰り替えされました。
そして受け入れ施設へ引継ぎ、本人と別れる際に「私はこれから皆の手本となるよう真面目に生きます。だから…私のような人達をたくさん助けて下さい」と言われました。
この言葉を最後に私の報告を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
 
 
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