社会福祉法人 南高愛隣会 コロニー雲仙
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罪を犯した障がい者の受け入れ(福祉事業所での実践)  
   
4.罪を犯した障がい者・高齢者の支援にあたって

これまでの8事例の受け入れから罪を犯した障がい者・高齢者の支援のまとめについて報告します。
取り上げた2事例からも、罪を犯した障がい者が他の利用者とは変わらない、支援の対象者ということがお分かり頂けたのではないでしょうか。
本人のニーズを把握して、願いを叶えていくということに関しては、他の障がい者の方と同じ支援の対象者であるということに変わりありません。しかし、罪を犯したという「社会的ルールを逸脱した」という特性に関しては支援が必要になってきます。
 

その「社会的ルールの逸脱」への支援の特徴として、次の3つの支援があげられます。
 
(1) 時間をかけたアセスメントが必要  

1つは時間をかけたアセスメントが必要になるということです。
通常の個別支援では「相談支援時の状況把握」→「アセスメント」→「個別支援計画の作成」→「個別支援計画の実施」→「中間評価と修正」→「修了時評価」という流れをとります。
 

罪を犯した障がい者・高齢者の支援にあたってはこの「アセスメント」に時間をかけて行う必要があります。この図は、4名の方のアセスメントにかかった時間を比較したものです。基本の2か月と比較すると、2倍から4倍以上の時間がかかっていることがご理解いただけると思います。
 

その理由としては第一に入手できる情報が限られていること。受け入れまでに面会の時間を多く割けないことがあります。
そのようなため現地調査が有効になります。コロニー雲仙では、情報を得る為に、家庭訪問や実際にホームレス生活をしていた現地調査、また前施設への聞き取り調査を行いました。写真はBさんの現地調査のものです。このような調査を通して、新たな情報を仕入れ、本人の生活環境を肌で感じることで、支援に活かすことができました。
 

第二には負の連鎖による人間不信です。
AさんBさんの事例を見ても明らかですが、罪を犯した障がい者は罪を犯すことで、家族を含む周囲との関係が崩壊し、自分の居場所を失い、孤独の中で再度罪を犯してしまうという「負の連鎖」の中にいることが多いです。周囲からの孤立や「どうせ自分は信用されていない」という自己評価の低下によって、ますます人間不信に陥っているものが多いです。そのため、福祉サービス支援者との間に信頼関係を築くのに時間がかかり、利用者の悩みやニーズを聞くまでに時間を要すことになります。
 

犯罪(問題行動)は本人の性格・特性以外にも、貧困という経済的要因、福祉システムからこぼれるという社会システムの問題、発達障がいに代表される障がい特性等が大きく影響しています。単に反社会的な行動のみに注目していては、問題の解決につながりません。
そのために犯罪にいたった背景を深く丁寧に掘り下げる、時間をかけたアセスメントが必要になってきます。
このような、時間をかけて情報を集めていく中で、職員は「生きにくさ」への共感者に育てられていきます。共に歩む理解者として培った信頼関係は、支援にあたっての大きな強みになります。
 
 
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