共生社会を創る愛の基金コア研究班研究計画

中間報告

  1. テーマ
     司法と福祉をつなぐ新たな人材養成(仮称:トラブル・シューター:揉め事解決屋)プログラムの開発と啓発、および全国での人材養成ネットワークの構築と実施-3年間計画における第一年目計画-

  2. 趣旨
    司法改革の動きや長崎の社会福祉法人南高愛隣会での触法・被疑者に対する司法と福祉の連携支援の実践の中で、司法と福祉をつなぐ新たな人材養成が希求されています。
     新たな人材とは、検察の取り調べにおける立会人・AA(*)や、更生保護や定着支援における「触法および生活課題困難な障害者」の支援を進める専門性の厚い人材のことです。地域に根差して困難な課題に立ち向かい、福祉だけでなく弁護士など司法関係者や行政ほか関係機関を駆使しながら課題(揉め事)を解決をしていくことができる人材を想定しています。これにより触法リスクのある障害者を早期に救済・支援し、触法に至る前に生活の立て直しを行うことができ、触法自体の予防が期待できます。
     *AAとは、「Appropriate Adult(適切な大人=代弁者)」のこと。イギリスではもし警察官が被疑者に知的障害あるいは精神障害があると疑った場合、警察とその被疑者のコミュニケーションが適切な方法で行われることを保障するAAを呼ばなければならない。

    本研究班は「司法と福祉をつなぐ専門性に厚い人材」を養成するプログラムを開発し、3年間にわたり全国で実践を進めることを目的とした共生社会を創る愛の基金のコア研究班です。本年は第一年度として、以下のような研究および啓発を進めています。


【2012年度研究骨子・テーマ】
  • Ⅰ トラブルシューター養成に向けた啓発セミナーの実施
    横浜、名古屋、大阪の3カ所で実施します。 【トラブル・シューター養成セミナー】
  • Ⅱ トラブルシューター養成プログラム内容の検討
    毎月一回程度、検討委員会を開きプログラムを作成します。
  • Ⅲ トラブルシューターの専門性向上のための調査研究
    我が国での性犯プログラムの検討のため、イギリス現地調査を実施します。
    ①性犯プログラムの内容・実施方法等、今後の課題、②実施にあたっての社会資源および連携方法、課題、③イギリスにおける司法と福祉との連携、課題、④マスコミ、司法、精神医学、教育等の役割と課題、を探ります。
  • Ⅳ 各地域の実情に合わせた司法と福祉の連携基盤構築の実践